学術活動

2020.04.23

虫歯・歯周病は感染症? コロナ禍から学ぶ再感染リスクの少ない歯科治療とは?


虫歯・歯周病などは感染症?
コロナ禍から考える感染リスクの少ない歯科治療とは?

−感染症との戦いの鉄則−

 いつもAQUA日本橋DENTAL CLINICのブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
毎日、暗い気持ちになるニュースが多く、心身ともにお疲れではないでしょうか。
お陰様で当院のスタッフは、体調管理に細心の注意を払い一人の体調不良者もなく今日も元気に診療しております。

4月30日 日本歯科医師会が「今日まで歯科治療を通じて患者が新型コロナウイルスに感染した例はは1件もない。」と発表しました。この事から、歯科医院が際立ってハイリスクであるとした情報は誤っていた可能性があります。しかし、日本のPCR検査数の少なさから正確な患者数が把握できてない可能性もあります。つまり、我々歯科医療従事者は油断せず、国内外の信頼出来る論文を精査して万全の感染対策をして行って行く必要はあると考えております。

今回はコロナ禍の今だからこそ、安全確実な歯科治療(虫歯・歯周病・根の病気など)に関して考えてみたいと思います。

 


歯の病気は感染との戦い
−感染症との戦いに勝つためには?
−感染症対策・感染リスクと最善の歯科治療との関係


 お口の中の病気で一般的なのが「歯周病」「虫歯」「根の病気」などですが、これらのほとんどは【感染症】です。つまり、最善の歯科治療には広い意味で確実な感染症対策がとても大切であると当院は考えております。
つまり、お口の中で起きる感染症の蔓延拡大をいかにしてコントロールするか? つまり歯科治療は、再感染リスクを出来るだけ少なし、万が一の再感染に備えて、定期的検査を行い早期発見に努め、必要に応じて早期治療を行うなどの感染対策が非常に重要です。 歯科治療の基本は、予防・早期発見(検査)・早期治療です。

 しかしながら、感染症対策は患者様の目には見えづらい部分ではありますが、人、設備、資材、時間など非常の多くのコストが発生します。
患者様ならびにスタッフにとって安全で確実な歯科医療の提供するため、当院としては感染症対策は絶対に手を抜けない部分であると考えています。

 今回の新型コロナウイルス感染拡大によって改めて考えらさせるのは、新型コロナウイルスなどの感染症との戦いに勝つためには以下の鉄則が挙げられます。しかし、これは、コロナ対策に限った事ではなく、感染症の巣窟である歯の病気(虫歯・歯周病・根の病気など)に対する歯科治療にも置き換えて考える事が出来ると当院は考えております。

 

コロナウイルス対策の鉄則 感染リスクの少ない歯科治療の鉄則
ウイルスの徹底的な蔓延予防、水際対策の徹底 歯ブラシなどの日々のプラークコントロール(バクテリアの繁殖を防ぐセルフケア)
除菌・消毒の徹底 定期的な専門的クリーニング(およそ3ヶ月に一回の定期的なメンテナンス)
PCR検査、抗体検査の徹底 歯科医院での定期検診(当院の場合、年一回程度の歯科検診を推奨)の徹底
感染患者の隔離処置 患歯にラバーダムの使用(虫歯治療等の歯の病気においても、再感染の少ない確実な治療を行うためには処置歯にラバーダムを用いた隔離処置を行う事が推奨される)
病気の悪化を防ぐ早期治療 歯の病気は自然治癒はないため、早期の適切な治療が推奨される

 

以上から、新型コロナウイルスの感染リスクが高い現在、感染症対策はすべての歯科治療において必須であると考えらます。

歯周病菌と徹底的に叩く当院の案内は こちらです:”精密歯周治療・非外科的歯周再生治療(当院特許取得)”

※当院の感染症対策の取り組みのページはこちら 


 

保険治療で感染リスクの少ない歯科治療は可能か?

https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=54533&pno=4?site=nli

 

 既にご存知の方も多いかもしれませんが、国の財政問題により関係各所の努力も虚しく近年の歯科は他の医療分野に比べて保険診療が充実しておりません。

 上記のグラフは年間総医療費の中の歯科の保険医療費の推移です。およそ1990年(30年ほど前)から現在までに歯科保険医療費は変化していないことがわかります。

 金属の価格や物価の上昇(※1)、消費税の増税、医科の医療費の増加、高額医療機器などを考慮すると、この推移は異常であるという事がわかります。

 30年の間に歯科医療はインプラントや歯科用CT、マイクロスコープの登場等により他分野の医療と比較しても勝とも劣らない発展を遂げました。それに伴い、歯科医院の開業資金やランニングコストは30年前と比べると少なくとも3〜5倍以上増加したように感じます。つまり、日本の歯科の保険診療は30年前の水準から発展していないばかりかむしろ低下しているかもしれません。   

*歯科保険医療費は内税で消費税が含まれております。一方、使用する医療機器、材料には全て外税で消費税が掛かっております。

▲保険内診療で治療した銀歯は、ラバーダムなど上記に示した感染症対策の鉄則が
十分に取れないので感染によって虫歯の再発が起こりやすい(二次カリエス)

 

 さらに、歯科保険診療では、材料や機材、期間、回数などにも制限があるにも関わらず、賃料や人件費といった物価が地域によって大きく異なることは全く考慮されておりません。
国内のこのような状況下で、確実な感染対策を行い他の先進国と同等レベルの再感染・再発リスクが少ない最新の歯科医療が提供できるのか?これは、若い歯科医師が最初にぶつかる難問ではないでしょうか。歯科医師としての第一歩を踏み出し、希望に溢れる多くの歯科医師は「保険診療内で再発・再感染しない最善の歯科治療をなんとか行えないものか」と考えがちです。

しかし現実は極めて厳しく、多くの歯科医師が不本意な歯科治療を強いられているように思います。

 もちろん、処置の内容によっては保険診療内で対応出来る場合もあります。しかし、少しでも安全で確実な感染リスクの無い歯科治療を保険診療で受けたいと思うと”砂の中から金塊を探す”以上に極めて困難である事が容易にわかるかと思います。現在の国内財政や今回のコロナ禍の拡大状況を考えると、今後ますます困難な問題になることでしょう。

当院の最新の虫歯治療の案内は、こちらです、”精密根管治療”とは?


優秀な歯科医師はあえて保険診療を行わない?

 患者さんからの歯科医療に対する価値観が様々であるように、歯科医師の価値観も多様です。優秀な歯科医師達は【欧米と同じ最善レベルの歯科医療を提供したい】と考える方が多く居るように感じます。
これは、歯科医師自らの良心から生まれる考えであり、自然な考えであると思われます。
しかしながら、歯科医師が最新の医療を学ぶためには、多くの努力や時間、多額の設備費や研修費を投資しなければなりません。それに加え、レベルが高くなればなるほど歯科医師としての資質、能力等も兼ね備える必要があります。歯科医師にかかる負担や経済的なリスクはその実とても膨大です。

 多くの歯科医師が、身を粉にする努力やリスクと引き換えに最新の知識と技術を手に入れています。それにもかかわらず【保険内診療の制限】によって本来だったら救えるはずの歯を救ってあげられないという、もどかしい状況が生まれてしまっているのです。

 そのため、現在では自由診療をご提案するクリニックが増えているように感じます。ただし、自由診療と一口に言ってもクリニックによって様々。
歯科材料の種類(セラミック、ジルコニア)や設備(マイクロスコープやCTなど)が揃っているクリニックであれば、治療結果に差はないのでは?という考えは間違いです。審美歯科の材料自体にはそれほど大きな違いはありませんが、感染リスクが少ない適合精度の高いセラミック修復物を作るためには、高クオリティの医療技術と時間、そして手間がかかります。
つまり、たとえ最新の設備や材料を使っていたとしても、高い技術を持つ歯科医師や技工士が時間と手間をかけて丁寧に処置するか否かで全く異なった治療結果となります。

 


知られざる歯科医師の厳しい世界
−自他共に認める超一級の歯科医師とは?−

 

 歯科医師の世界では、業界内で誰もが認める著名な歯科医師達がおり、互いの医術を競う学会が存在します。そこでは、日本を代表する歯科医師達から技術だけでなく、診断に至る論理的な考え方、歯科医療に対する心構えまでかなり厳しく評価されます。その学会への出場権を得るだけでも難しい中、学会内で認められるような優秀な歯科医師はほんの一握りです。
彼らの多くは全国の歯科医師達から一目置かれる存在です。彼らが登壇する研修会には多くの歯科医師が参加し、執筆する医学雑誌は多くの歯科医師達が教科書として愛読します。いわゆる歯科界のスターのような存在です。彼らの多くは開業医である事が多く、彼らを中心に歯科医療の技術は発展していると言っても過言ではありません。
当院の院長も数多くの学会にて賞をいただき、日々の臨床のみならず国内外で執筆活動や講演活動を非常に多く行っております。

 

▲フランス ニースにて約2000人の観衆を前に講演を行う院長

 

もしご興味のある方は、検索エンジンにて“ 綿引淳一 講演 歯科と検索してみてください。綿引院長の隠された日常の活躍が分かるかも知れません。

綿引院長が担当する”包括的歯科治療の案内はこちらです。” 


AQUA日本橋DENTAL CLINICの理念とは?

そもそも日本には、多くの歯科医院があり、各々が特色を生かし、信念を持って日々の臨床を行なっております。
その中で当院は、以下の理念をもって歯科治療を提供しております。

 

当院の理念および存在意義

  • 国内外の歯科医師の目標となるような理想の歯科医療を提供したい

  • 不可能を可能をする事を目指した歯科医療を日本から世界に発信したい

  • 当院を大切に思って頂ける患者様に対して高度な歯科医療で全力で力になりたい 

 

 当院はこの理念に少しでも近づけるよう、綿引院長の指導のもとあらゆる努力と研鑽を惜しまず治療に励んでおります。
しかし、当院の理念を本気で実現しようとすればするほど、保健診療内でなんとか歯科治療を受けたいと強く希望する患者様のお考えや保健診療を中心とした歯科医院の志とは大きく異なってしまいます。

 そこで当院は、高額ではありますが体に安全な信頼性の高い医療材料を用いて、世界中で認められている最新の歯科医療を提供できる自由診療を中心に実践をしております。


自分にあった歯科医院との出会いは豊かな人生への第一歩

 人は、それぞれ異なった価値観を持っております。それは当たり前のことであり、もちろん否定はできません。
大切なのは「患者様ご自身が自分にあった価値観の歯科医院を探す」ということです。
当院の患者様全員が、必ずしも経済的にゆとりのある生活をしているという訳ではありません。多くの患者様は、歯科医療に対しての価値観が高く「いつまでも健康に、美味しくご飯が食べたい」「笑顔が絶えない生活を送りたい」と本気で願い、当院に訪れた方々です。
そして、当院が目指す究極の歯科医療の形は、治療を受ける患者様と提供する歯科医療従事者が互いの存在を尊重し大切に思い合い、双方が心身ともに明るく元気に、QOL(生活の質)の高い人生を送る事が出来るようなお手伝いを全力でさせて頂く事』であります

新型コロナウイルスが蔓延する現在やその収束後、国内医療の価値観を大きく考え直す時期が来るかもしれません。

そのヒントは諸外国にあるかもしれません。そちらは次回のブログのテーマにさせていただきたいと思います。

皆様もお体に十分お気をつけてお過ごし下さい。当院スタッフも、我々を信じ必要としている大切な患者様のために命をかけて頑張ります!

5月11日 ブログが更新されました。

”コロナ時代で改めて気付かされた大切な患者様の存在” 

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当ブログの目的は、当院の患者様ならびに国民の皆様に正しく歯科医療を理解していただき、後悔のない歯科医院との付き合い方をする手助けを行うことです。
皆様の今後の歯科治療を受ける際のご参考となることが出来たら幸いです。
今後とも日本の歯科医医療へのご理解ご協力の程、何卒よろしくお願い致します。
Love & Teeth

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【参考文献】
※1:http://kinpara-mintes.com/%E8%B2%B7%E5%8F%96%E5%8B%95%E5%90%91/2019/12/25/1311/