はじめに
当院の院長・綿引淳一は、日々の診療に加え、国内外の学会での研究発表や講演、セミナーでの教育活動を積極的に行っています。
「自分が通っている歯科医院の先生は、普段どんな活動をしているのだろう?」――そんな疑問をお持ちの患者さまもいらっしゃるかもしれません。今回は、院長のこれまでの講演・学会活動について、少しご紹介したいと思います。
院長のプロフィール
綿引淳一は、1999年に昭和大学歯学部を卒業後、同大学の歯科矯正科に入局しました。2004年に大学院を修了して歯学博士号を取得し、同年に日本矯正歯科学会の認定医資格も取得しています。
2006年に当院の前身となるAQUA日本橋DENTAL CLINICを開設し、以来、矯正歯科と歯周治療を組み合わせた「包括的歯科治療」の実践と研究に取り組んできました。現在は日本矯正歯科学会の臨床指導医・認定医、日本歯周病学会の認定医、日本口腔インプラント学会の専修医といった複数の専門資格を持ち、昭和大学歯学部歯科矯正学教室の兼任講師も務めています。
また、日本包括的矯正歯科学会(JIOS)の代表理事、IORC(International Orthodontic Research Collaboration)の代表として、研究・教育の両面でリーダーシップを発揮しています。

国際学会での研究発表
院長は、研究者としてのキャリアの早い段階から、国際学会での発表を行ってきました。
2005年には、パリで開催された第6回国際矯正歯科学会(IOC)において、咀嚼(噛むこと)が顎の関節の軟骨にどのような影響を与えるかについての遺伝子レベルの研究を発表しました。これは、レーザーマイクロダイセクションという先端技術を用いた研究で、矯正歯科の基礎研究として注目を集めました。
翌2006年には、アメリカ・ラスベガスで開催された第106回アメリカ矯正歯科学会(AAO)でも発表を行っています。AAOは世界最大級の矯正歯科学会であり、ここでの発表は研究の質が国際的に認められている証といえます。この年は、下顎頭軟骨に特異的に発現する遺伝子の発見に関する研究と、下顎の成長予測に関する研究の2演題を発表しました。
2010年には、日本矯正歯科学会と韓国矯正歯科学会の合同ミーティング(第3回日韓ジョイントミーティング)において発表を行い、優秀発表賞を受賞しています。国際的な場での発表が高く評価された成果です。

国内学会での活動
国内でも、日本矯正歯科学会をはじめとする主要学会で継続的に研究発表を行っています。
日本矯正歯科学会では、抜去歯を用いた新しい顎骨再生療法の基礎研究や、矯正装置のデザインに関する臨床研究など、基礎から臨床まで幅広いテーマで発表を重ねてきました。東京矯正歯科学会、日本顎関節学会、歯科基礎医学会など、関連する複数の学会でも積極的に研究成果を発信しています。
近年では、2024年に日本臨床歯周病学会の年次大会で講演を行い、矯正治療と歯周治療を組み合わせた「Phenotype Modification Therapy」について、エビデンスと新たな可能性を提言しました。2023年には日本補綴歯科学会でも共同研究の成果を発表しており、矯正歯科の枠にとどまらない幅広い学術活動を展開しています。
招待講演・セミナー活動
院長は、歯科医師向けの教育セミナーでも講師として活躍しています。
矯正歯科医療機器メーカーのフォレストワン社からの依頼で、「成人矯正と歯周組織再生療法の融合」セミナーや、「矯正治療に必要な歯周初期治療の実践」といったハンズオンコースを複数年にわたり開催してきました。これらのセミナーは、院長が提唱する「ペリオオルソ(歯周矯正治療)」の考え方を全国の歯科医師に伝える取り組みです。
2023年には、HOKKAIDO SJCD(北海道の歯科スタディーグループ)の例会に招聘講演者として招かれ、日本における矯正治療の現状とこれからのトレンド、そして包括的矯正治療の実際について講演を行いました。豊富な論文と自身の臨床症例を交えた講演は、参加者から高い評価を得ています。
また、院長が開発に携わったAI搭載のセファロ分析システム「DIP Ceph」に関する1dayコースも開催しています。矯正歯科専門技工士の井澤秀彦先生と共同で、セファロ分析を用いた矯正診断・治療計画の立て方を、一般歯科医師や矯正専門医に向けてわかりやすく解説するセミナーです。


主な論文業績
院長は、世界的に権威のある学術雑誌に複数の論文を発表しています。いずれも厳格な査読(専門家による審査)を経て掲載されたものです。
2020年には、院長が考案した「O-PRO(Optimized Periodontal Regeneration for Orthodontics)」という、矯正治療のための歯周組織再生法に関する症例シリーズ論文が、International Journal of Periodontics & Restorative Dentistry に掲載されました。矯正治療と歯周再生を最適に組み合わせるという、まさに当院の診療理念を体現した研究です。
その他にも、Journal of Dental Research、American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics、European Journal of Orthodontics、Journal of Periodontology、Journal of Periodontal Research といった、矯正歯科・歯周病学の分野を代表するトップジャーナルに論文が掲載されています。
研究テーマは、咀嚼が顎の成長に与える影響、下顎骨の再生メカニズム、抜去歯を用いた骨再生法の開発など多岐にわたり、基礎研究から臨床応用まで一貫した視点で取り組んでいることが特徴です。
著書のご紹介
院長は、2冊の書籍にも携わっています。
単著として執筆した『包括的矯正歯科治療 審美と機能を両立するためのフィロソフィー』は、院長の臨床哲学を体系的にまとめた一冊です。審美性だけでなく機能的な噛み合わせを追求する「包括的矯正歯科治療」の考え方と実践について、詳しく解説しています。
また、海外の専門書『The Ortho-Perio Patient(ザ・オルソペリオペイシェント)矯正&ペリオ患者のための臨床エビデンスと治療ガイドライン』の監訳も手がけています。矯正治療と歯周治療を両方必要とする患者さまの治療に関する最新のエビデンスをまとめた、臨床家必携の一冊です。

国内外の学会との幅広いネットワーク
院長は、日本国内の学会だけでなく、海外の学会にも積極的に参加し、幅広いネットワークを構築しています。
所属学会は、日本矯正歯科学会、日本歯周病学会、日本口腔インプラント学会、東京SJCD(日本臨床歯科学会)のほか、アメリカ矯正歯科学会(AAO)、アメリカ歯周病歯科学会(AAP)、世界矯正歯科医連盟(WFO)など国際的な学術団体にも及びます。
特筆すべきは、2018年から2023年までアメリカ顕微鏡歯科学会(AMED)の理事を務めていたことです。マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を活用した精密な歯科治療の分野で、国際的な役割を担っていました。当院にマイクロスコープが7台設置されているのも、こうした院長の専門性と信念に基づいています。
おわりに ― 学び続ける姿勢が、治療の質を支えています
学会での発表、論文の執筆、セミナーでの教育活動、著書の出版。院長のこうした活動は、すべて「患者さまにより良い治療を提供したい」という思いから生まれています。
研究で得た最新の知見を日々の診療に活かし、臨床で感じた課題を研究テーマにフィードバックする。この循環を20年以上にわたって続けてきたことが、当院の治療の質を支える土台となっています。
患者さまに直接お伝えする機会は少ないかもしれませんが、皆さまの治療の背景には、こうした地道な学術活動があることを、少しでも知っていただければ幸いです。
矯正治療や歯周治療に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。研究に裏打ちされた確かな診療で、皆さまのお口の健康をサポートしてまいります。