学術活動

2026.04.08

「自費専門」の歯周治療って何が違うの?


はじめに ― 歯周病治療、どこで受けても同じだと思っていませんか?

「歯ぐきから血が出る」「歯がグラグラする」――歯周病は、日本の成人の約8割が罹患しているともいわれる、非常に身近な病気です。多くの方が歯科医院で治療を受けた経験をお持ちかもしれません。

しかし、歯周病治療の内容は、実はクリニックによって大きく異なります。保険診療で行う歯周治療と、自費専門のクリニックで行う歯周治療では、使える時間・器材・アプローチのすべてが違うのです。

今回は、東京日本橋AQUA歯科・矯正歯科 包括CLINICが「自費専門」で歯周治療を行っている理由と、患者さまにとってどのようなメリットがあるのかをお伝えいたします。

保険診療の歯周治療 ― そのしくみと限界

まず、保険診療の歯周治療がどのように行われるかを整理してみましょう。

日本の保険制度は、国民皆保険という世界に誇れるしくみです。どなたでも一定の負担で医療を受けられるというのは、大きな安心です。しかし、保険診療にはルールがあります。

保険診療のルール

保険診療では、使用できる材料や治療手順が厚生労働省によって細かく定められています。歯周治療においても、「まず検査を行い、次にスケーリング(歯石除去)を行い、再評価検査を行い、必要に応じてSRP(歯根面の清掃)を行う」という決められた順序に沿って進める必要があります。

また、1回の診療で対応できる範囲にも制限があり、お口全体の歯石除去を一度に行うことが難しい場合もあります。結果として、治療が数か月にわたり、何度も来院いただくことになるケースが少なくありません。

時間の制約という課題

保険診療のもう一つの課題は、1回あたりの診療時間です。保険点数のしくみ上、1回の診療にかけられる時間には実質的な上限があります。多くの歯科医院では1回15分~30分程度で診療を行わざるを得ないのが実情です。

歯周治療は、歯の根の表面に付着した歯石やバイオフィルムを丁寧に除去する、繊細で時間のかかる処置です。限られた時間の中では、どうしても「ある程度の処置」にとどまってしまうことがあります。

自費専門の歯周治療 ― 時間と質が変わる理由

では、自費専門のクリニックでは何が変わるのでしょうか。当院の歯周治療の特徴を、具体的にご紹介いたします。

1. 十分な診療時間の確保

当院では、完全予約制のもと、おひとりの患者さまに対して十分な診療時間を確保しています。保険診療の制約がないため、1回の診療で60分~90分、場合によってはそれ以上の時間をかけて、丁寧に処置を行うことが可能です。

十分な時間があることで、1回の来院でお口全体を包括的に診ることができます。何度も通院する負担が減り、治療の全体像を把握しやすくなるというメリットもあります。

2. マイクロスコープによる精密治療

当院には7台のマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を完備しており、歯科衛生士専用のマイクロスコープも設置しています。マイクロスコープを使うと、肉眼では確認できない歯肉縁下(歯ぐきの下)の歯石や感染組織を、拡大視野のもとで正確に確認しながら除去することができます。

歯周病の原因となる歯石は、歯の根の表面に強固に付着しています。これを肉眼で除去しようとすると、取り残しが生じたり、逆に健康な歯根面を傷つけてしまうリスクがあります。マイクロスコープがあることで、「見える治療」が実現し、より確実で低侵襲な処置が可能になるのです。

3. 包括的アプローチ ― 矯正治療との連携

当院の最大の特徴は、歯周治療と矯正治療を組み合わせた「包括的(interdisciplinary)」な治療を提供していることです。

歯周病が進行すると、歯を支える骨が吸収され、歯が移動したり傾いたりすることがあります。こうした「病的歯牙移動」を放置したまま歯周治療だけを行っても、噛み合わせの問題が残り、再び歯周組織に過剰な力がかかってしまうことがあります。

当院では、院長の綿引が矯正治療と歯周治療の両方に精通しているため、歯周病によって崩れた歯並びや噛み合わせを矯正治療で整えながら、同時に歯周組織の改善を図ることができます。これは、矯正と歯周の両方を専門的に行えるクリニックだからこそ実現できるアプローチです。

4. 使用する器材・材料の自由度

保険診療では使用できる器材や材料に制限がありますが、自費診療ではそうした制約がありません。世界的に評価の高い器材や最新のエビデンスに基づいた材料を、患者さまの状態に合わせて自由に選択することができます。

たとえば、歯周外科処置においては、より精度の高い縫合材料や再生材料を使用することで、治療の予知性(成功率)を高めることが期待できます。

保険診療と自費診療の比較

項目保険診療当院(自費専門)
1回の診療時間15~30分程度60~90分以上
治療の進め方決められた順序・回数状態に応じた柔軟な計画
視野の拡大肉眼が中心マイクロスコープ使用
矯正との連携別の医院へ紹介が多い同一院内で包括治療
器材・材料保険適用のもの最適なものを自由に選択
費用保険適用(1~3割負担)自費(全額自己負担)

「時間をかける」ことが、なぜ大切なのか

歯周治療において「時間」は、治療の質に直結する非常に重要な要素です。

歯周病の主な原因は、歯と歯ぐきの間(歯周ポケット)に蓄積したバイオフィルムや歯石です。これらを徹底的に除去するためには、一本一本の歯の根の形状に合わせた丁寧なアプローチが必要です。歯の根の表面には複雑な凹凸があり、機械的に一律にこすっただけでは不十分なのです。

十分な時間を確保することで、術者は一つひとつの歯に対して最適な角度・力加減で処置を行い、取り残しを最小限に抑えることができます。また、処置後の組織の状態をその場で確認し、必要に応じて追加の対応を行う余裕も生まれます。

「時間をかけること」は、決して贅沢なことではありません。より確実に、より安全に、より長期的に良好な結果を得るための、合理的な選択なのです。

当院の診療スタイル ― 患者さまに寄り添う完全予約制

東京日本橋AQUA歯科・矯正歯科 包括CLINICは、完全予約制の自費専門クリニックです。

完全予約制を採用している理由は、おひとりおひとりの患者さまに対して、しっかりと時間をかけた診療を提供するためです。待ち時間がほとんどなく、予約した時間に診療が始まりますので、お忙しい方にも通いやすい環境です。

また、三越前駅直結というアクセスの良さも、継続的な通院が必要な歯周治療においては大きなポイントです。歯周病は「治して終わり」ではなく、治療後のメインテナンスが長期的な歯の健康を支える鍵となります。通いやすい環境があることで、メインテナンスの継続がしやすくなります。

自費の歯周治療が向いている方

以下のようなお悩みやご希望をお持ちの方には、自費専門の歯周治療が特に適しています。

歯周病が中等度~重度で、保険診療での改善に限界を感じている方

歯周病と同時に歯並び・噛み合わせの問題も抱えている方

・一回の来院でしっかり治療を進めたい、通院回数を減らしたい

マイクロスコープを使った精密な治療を希望される方

・歯をできるだけ長く残したいと強く願っている方

歯周病は早期に適切な治療を受けることで、進行を食い止めることが可能です。「自分に合った治療を受けたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

保険診療と自費診療、どちらにもそれぞれの良さがあります。保険診療は費用負担が少なく、広く医療を受けられるという大きなメリットがあります。一方で、歯周治療に関しては、時間・器材・アプローチの自由度において制約があるのも事実です。

当院では、「歯を守るために最善を尽くしたい」という患者さまのお気持ちに応えるために、自費専門という診療スタイルを選択しています。十分な時間、精密な視野、そして矯正治療との連携による包括的なアプローチ。それが、私たちが考える「質の高い歯周治療」です。

歯周病でお悩みの方、他院での治療に不安を感じている方は、どうぞお気軽にご相談ください。まずはカウンセリングで、現在のお口の状態と治療の選択肢について、丁寧にご説明いたします。