2024年3月31日にIOSの第1回例会が行われました。
第1回の例会テーマはガミースマイルです。口腔外科医・一般歯科医・矯正歯科医の立場の方々が講演をしてくださり、熱い内容となりました。
今回はIOSが提案するガミースマイルのコンセンサスをブログでお伝えしていきます。
ガミースマイルとは?
ガミースマイルとは人が笑う際に歯よりも歯茎が多く見える状態を指します。
「他の人より歯茎が大きく見えて思い切り笑えない」
「笑った瞬間手で口元を隠してしまう」
とコンプレックスになったり嫌な思いをしたり悩んでいる方も多いかと思います。
IOSが提案するガミースマイルの診断と治療方法とは?
診断と治療法について原則以下の順番で原因に対する治療を提案することが望まれます。
1)精神的な問題(過剰に気にする場合)
カウンセリングによって対応を検討する
2)骨格の問題が大きい場合
外科矯正を検討する
3)歯の位置に問題が大きい場合
矯正を検討する
4)歯冠長に問題がある場合
歯冠延長術やラミネートべニア等を検討する
5)上唇のハイパーモビリティの場合
筋機能訓練及び上唇粘膜切除術、ボトックスを検討する
注釈 笑った時に唇が移動する合計距離が6~9㎜を超える場合、上唇のハイパーモビリティと判断する。
6)上唇の長さが短い、または上唇が短い(上唇の形態)の場合
有効な対処方法は不明であるがヒアルロン酸注射が考慮される
どの順番から治療を始めてもいいのか?
IOSが提案する診断と治療法を上記でお伝えしましたが、今回の例会では特に安易に5)、6)から治療を行うべきではないということが述べられました。
なぜ5)、6)から治療を行ってはいけないのでしょうか。それは5)、6)から治療を行う場合リスクが高まりまるからです。そのリスクを以下に挙げていきます。
1) 代償的な対応となり、症状を複雑化する可能性がある
2) 治療の効果の程度を予測することが極めて困難になる
3) 加齢変化により、ガミースマイルは改善する可能性がある為、安易な代償的対応をするとロースマイルを誘発するリスクがある
以上の点からもガミースマイルは安易に5)、6)から治療を行うべきではないと共通の認識となりました。
未だ治療方法が確立していない課題の1つであるガミースマイルです。
今後も患者様の笑顔を取り戻すために適切な治療法を確立し、選択することが不可欠となります。