学術活動

2020.10.10

歯科でできる自費診療とはどんなもの? -ウィズコロナ時代における美容意識の変化-


 いつもAQUA日本橋DENTAL CLINICのブログをご覧いただきありがとうございます。

あっという間に10月に突入し、2020年も終わりに近づき気温もぐっと下がりましたね。

皆さんも体調には十分お気をつけてお過ごしください。

さて本日は、歯科治療の自費診療にフォーカスを当てたいと思います。

 


そもそも自費診療とは?保険内診療と何が違うの?

 歯科に限らず、診療は大きく分けて2パターンに分けられます。医療保険制度を利用した『保険内診療』と、医療保険制度を利用しない『自費診療(自由診療、保険外診療)』です。

保険内診療とは、国民健康保険や健康保険に加入している人が医療機関で受ける「公的医療制度の対象となる診療」のことを指します。

 かわって自費診療は「公的医療保険の対象とならない診療」を指し、治療にかかる費用100%をご自身で負担いただくこととなります。歯科の場合、病気や事故以外での理由によるインプラント治療や、国が定める【特定保険医療材料】に含まれない材料を使った治療はこの自費診療に含まれます。

 

自費診療=費用が高いから避けられがち!?

 

 

 上述の通り、自費診療は治療費の100%をご自身で負担いただくこととなるため、トータルの治療費が高額になることがしばしば発生します。それが原因からか、株式会社ジーシーが行なった第3回 国民の歯科意識調査 によると 30%強の方々が「重点的には多少の費用をかけても良い」と考えている一方、70%弱の方々が「保険医療の範囲内で治したい」と考えていることがわかりました。

保険内診療を希望する理由として一番多かったのが「経済的ゆとりがない(36.8%)」、次いで「保険治療で見た目は十分(29.4%)」という結果となりました。

 


自費診療を進めるクリニックについて

-保険内診療の本質と歯科医の苦悩-

 

 

 ひとつ残念に思うのが「自費診療を勧めてくるクリニックは利に走っている」と考える方が少なからずいらっしゃることです。確かに保険内診療は自費診療と比べるとリーズナブルに思われがちです。しかし、そもそも保険内診療は長い目で見た時にお得なのでしょうか?

 虫歯(う蝕)によって欠損した歯に詰める詰め物(インレー)を保険内診療と自費診療で比較してみましょう。

 

 保険内診療の場合金銀パラジウム合金、いわゆる銀歯を使用することが多くあります。銀歯は保険適用材料のため治療費が安価にできる反面、以下のような問題があります。

・見た目がよくない(審美性が低い)

・接着部分が壊れやすい

・経年劣化による割れや欠け、変色が発生する

・銀歯の隙間に虫歯菌が侵入し、再度虫歯になる可能性がある(二次カリエス)

 

 特にこの『二次カリエス』については近年問題視されております。例えば幼少時に保険内診療で安価に治療した箇所が成人になってから『二次カリエス』となり、再度治療をしなければならない、という状況が起こり得るのです。

 

 では自費治療の場合どうでしょうか。自費治療での詰め物(インレー)の材料にはオールセラミック、ジルコニア、メタルボンドなどいくつか種類がありますが、そのほとんどが強度が十分であり耐久性に優れ、変色しづらいものです

オールセラミックの場合その見た目はとても自然で、治療したという痕跡が分かりづらいというメリットがあります。

 

 また、治療後に歯垢(プラーク)が付着しづらく、治療後の虫歯の再発や歯周病のリスクが低くもあります。保険診療と比べれば費用は高くなるものの、5年後、10年後と長いスパンで考えると保険内診療よりもお得ではないでしょうか

一例として詰め物(インレー)を取り上げましたが、これは被せ物(クラウン)や入れ歯(義歯)にも同様のことが言えます。

 

 そもそも保険制度とは「医療は平等の精神」から「病気に対しての最低限の治療を行う」という考えで成り立っています。材料や機材、期間、回数などに制限があるのはもちろん、歯科医師の経験や技術の差も考慮されません

言い換えると、保険内診療では新米の歯科医師と、経験豊富で世界的にも有名な歯科医師、どちらも同じ治療内容で、同じ治療費であるという考えです。

 2人の歯科医師の間に大きな技術の差が存在していることは、皆さんにも安易に想像ができると思います。結果として、高度な技術を持つ歯医者さんにしてみると「保険内診療の制限に阻まれ、本来だったら救えるはずの歯が救ってあげられなかった」という、もどかしい状況を生んでしまっているのです。

 当院を訪れる患者様の中でも、治療を行なったにも関わらず口内環境がよくない場合があります。聞くと、保険内診療でぞんざいな治療が行われていたことが判明するケースもままあります。

 


ウィズコロナ時代における美容意識の変化と

歯科矯正治療について

 

 さらに加えて、ウィズコロナ時代である昨今、在宅ワークやそれに伴う運動不足などををきっかけにご自身の美容意識、口腔ケア意識に変化が生じた方が増えています。アークレイ株式会社が行なった「在宅ワークにおける女性のオーラルケア実態調査」では以下のような調査結果が判明しました。

 

<調査結果内容>

・在宅ワークが増えた人の約6割が、美容・健康に対する意識が向上した

・5人に2人が、在宅ワークをきっかけにオーラルケアへの意識が向上した

・ビデオ会議で自分の顔を見る機会が増えたことをきっかけにオーラルケアへの意識が高まった

・オーラルケアへの意識が「高まった」人は、「低まった」人よりも20%以上も在宅ワーク時の生活が充実したことが分かった。

 

 在宅ワークの増加に伴い、ご自身のお口の中や歯並び、今までのオーラルケアを振り返る時間が設けられたかと思います。コロナ渦という状況を「チャンス」と捉え、ご自身の口腔状況に向き合い、適切なケアを行なった方のほうが生活の充実度が上がったというのは興味深いデータでした。

 また、当院の来院される方のお話を伺ってみても、新型コロナウイルス蔓延前より後の方が歯科矯正、審美歯科に関する意識、情報感度が高い印象があります。歯科の自費診療についても理解がある方が増え、国内患者様のオーラルケアへの意識が欧米に近づきつつある印象です。

 


 

もっと笑顔が増える世の中になるように

〜歯科医師としての原点に立ち返った治療を〜

 

 

 改めて私達 AQUA日本橋DENTAL CLINICは、歯に関わるプロフェッショナルとして本当に困っている患者さんの役に立ちたいと本気で考えています。目の前の患者さんの大切な歯を全力で助けたい、保険診療の制限に縛られることなく、真の最新歯科診療をご提供したい、ご自身の歯に自信を持ち笑顔で過ごす患者様を一人でも増やしたいという信念のもと治療を行なっております。

治療の際に自由診療のご案内をさせていただく場合がございますが、当院の思いをご理解いただければ幸いです。また、当院だけでなく、自費診療を勧める歯科クリニックについても同様の思いをお持ちであることを心に留めていただければ幸いです。

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参考資料

虫歯治療、保険か自費か 値段だけで判断すると歯失うことも

https://news.yahoo.co.jp/articles/a07ec6f44467f319a3188f1156bfa9c655acc1ed?page=1

 

第3回 国民の歯科意識調査

https://www.gcdental.co.jp/kokumin/pdf/no3.pdf

 

【在宅ワークにおける女性のオーラルケア実態調査 】

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000029617.html

 

【コロナ禍での歯に関する実態調査】新型コロナウイルスの感染拡大による歯科医院への通院頻度と歯への意識変化が明らかに!withコロナ時代の歯科医院に求めることとは…?

 

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000059801.html